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文書作成日:2022/06/30

 今回は、支給漏れの資格手当の遡及払いについての相談です。

 当院では、業務に必要とする資格以外にも一定の資格を保有している場合、資格手当に5,000円を上乗せして支払っています。2021年7月に本人からこの上乗せの対象となる資格を取得したと聞いていたのですが、上乗せして支払うのを忘れていました。2022年5月に本人の申告によって発覚したのですが、いつまで遡って支払えばよいでしょうか?

 本人から未払い賃金支払いの請求があったのであれば、本来支払うべきだった日に遡って支払うことが必要です。現在、職員が未払い賃金を請求できる権利(以下、賃金請求権)は3年であり、今回のケースは本来払うべき2021年7月まで遡って支払う必要があります。

1.賃金請求権について

 未払い賃金があったときには、遡って支払う必要があります。賃金請求権の消滅時効期間は2020年4月1日に2年から5年に延長され、その上で、当面の間は3年とする猶予期間が設けられました。今回のケースは、この消滅時効にかからない期間での請求ですので、2021年7月まで遡って支払う必要があります。

 なお、延長された賃金請求権の消滅時効期間である3年は、2020年4月1日以降に支払われる賃金に関するものについて適用されます。

2.給与計算上の注意点

 給与計算の誤りによって、賃金の支払い漏れが発覚した場合、実務上は職員の合意を得て、次の給与で漏れていた分を上乗せして支払うことが多くありますが、本来、支払わなければならない賃金が支払われていなかったことを考えると、できるだけ早く支払うことが求められます。

 また、給与計算の誤りによって賃金を遡って支払うことになったときには、本来支払うべきであった各支給日に遡って給与計算をやり直すことになります。2021年分の源泉所得税が年末調整済であれば再計算等が必要です。

 その他、その賃金が割増賃金の基礎となる賃金だった場合は、時間外労働等の単価も変わってくることになり、結果として未払い残業代が発生することもありえます。遡って支払うだけでなく、割増賃金の基礎となる賃金として算入しなければならない賃金か否かの確認も必要です。

 そもそも、職員の賃金にかかる変更があった場合は、支払い漏れや支払い過ぎといった給与計算の誤りが発生しやすくなります。今回のように、本人からの申告がなければ、医院が把握することのできない状況であれば、書面で申請してもらい、確認した上で支払いの対象とするといったルールを定めておくことで支払い漏れを防止しましょう。


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